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データサイエンスのウソとホント〜変革を阻む8つの壁〜

2022年04月11日更新

DATAFLUCTは、データに基づいたビジネスモデルの変革方法について学ぶオンラインイベント「Data Cross Conference(データクロスカンファレンス)」を2022年2月9、10日の2日間にわたり開催しました。

初日のセッションでは、自称“意識低い系DXコンサルタント”のマスクド・アナライズ氏とDATAFLUCT代表の久米村が「データサイエンスのウソとホント〜変革を阻む8つの壁〜」をテーマに議論しました。データ活用に注目が集まる中で、日本企業の全社AI導入率はわずか1.9%で、米国と比較すると10分の1以下という低い状況です。なぜ日本ではデータ活用が進まないのか、熱い議論を交わしました。

意識高い系DXコンサルタントのマスクド・アナライズ氏(左)、株式会社DATAFLUCT 代表の久米村(右)

久米村は冒頭、このセッションの見どころとして「ここでしか聞けないデータサイエンスのぶっちゃけ話」「なぜ企業のデータ活用は進まないのか」「失敗事例から学ぶデータ活用」の3つを挙げました。

AIブームに熱狂するIT業界に突如現れた謎のマスクマンとして知られるマスクド・アナライズ氏。現場目線の辛辣かつ鋭い語り口は「イキリデータサイエンティスト」と呼ばれ、独特すぎる地位を築いています。現在はDX・データサイエンスの啓発活動を行っています。イベント・セミナー登壇、企業研修・大学の特別講義などで活躍しています。

企業の変革を阻む壁とは?

DX活用を進めたいと考えていても、変革を阻む壁がいくつも存在します。マスクド・アナライズ氏は、壁の種類と詳細について説明していきます。

【壁その1】外注の壁

「社内IT部門が外注委託に依存しており、自発的な取り組みが進まない」

規模が大きい会社によく見られるケースです。自社では発注などの管理がメインで、開発・構築は外注にお任せしていることが多い。この場合、「知見・ノウハウが自社にないため、DXを検討する際に自分たちで計画を立てられないことが課題」です。

【壁その2】費用の壁

「古い社内システムの維持管理コストが高く、新規投資ができない」

企業内の基幹システムの保守費用やサポート費用、入れ替え費用などが高額であることが多く、予算の7割から8割が現状維持のために使われています。残りの予算では新しい設備へ投資できません。

製造業・小売業など、早い段階からシステム化に取り組んでいる企業の場合、古いシステムと新しいシステムが混在しているケースが多くなっています。このような場合、新しいシステムを導入したくても、古いシステムが足を引っ張ることが少なくありません。

【壁その3】文化の壁

「社内文化としてデータ分析の価値を低く見積もっている」
「社内IT部門の地位や発言力が低く、提言が届かない」

ITシステム部門を外注しているとコストセンターと見なされて、社内には「利益が出ずにお金がかかる」と考える人が多いです。そのため、DXなどの新しい技術を提案しても発言力が低く、なかなか前進しません。

また、データの利活用やデータ分析に対する評価が低い組織もあり、こちらも同様にDXを推進したくても一向に進展しないでしょう。

【壁その4】人材の壁

「社内にデータ分析を推進できる人材がいない」
「ITに不慣れな人が多く、関心も低い」

DXを進める場合、プロジェクトを牽引する要員が必要であるものの、マネジメントできるリーダーのような人材がいないケースもよく見られます。そもそも知見のないITに不慣れな人を説得するのも一苦労でしょう。他にも、組織によっては現場と情報システム部門の仲が悪いケースも少なくありません。

【壁その5】環境の壁

「PCやネットワークなどの社内のIT環境が未整備」
「セキュリティ優先のため、データの利用や分析ツールの導入ができない」

データの取り扱いが極端に厳しすぎて、社内データの利用でさえも手続きが必要になる組織もあります。このような場合、データ利用における責任問題を恐れ、活用に挑めない企業もあります。

環境のみ整備については、「PCのスペックが低く分析ツールが重い」「大量のデータをExcelで処理せざるをえない」というケースが多いです。

【壁その6】認識の壁

「データ分析を活用できる業務はないと思い込んでいる」

データ分析を実施するだけの価値が考える組織では、そもそも分析対象となるデータから集めなければいけません。このような場合、まずは認識を変えることが必要です。

【壁その7】データの壁

「社内にデータベースが乱立しており、データの連携や統合ができていない」
「データ整備にかかるリスクや費用に対して、効果が低いとされる」

特定の部署や業務でのみ使われており情報システム部門が把握していないなど、データがさまざまな場所に散在しているケースがあります。この場合は、整備にもコストがかかり、効果が低いと思われてしまうため、システムの導入も進みません。

【壁その8】現状維持の壁

「今のやり方を変えたくないという現状維持バイアス」
「業務への影響力が強い現場の説得に影響する」

現場への影響力が強い頑固な職人にあるような、「今のやり方が正しい」「変えたくない」という意見からデータ活用が進まないこともよくあります。

開発費用の相場と投資対効果

マスクド・アナライズ氏によると、「会社の規模・内容によって費用感は大きく変わってきます。例えば、PoC(概念実証)だと数百万円からですが、大規模なプロジェクトでは億単位になることもある」と言います。このように、費用相場は企業や取り組みの段階によってばらけるでしょう。

ITプロジェクトは失敗する可能性もあるため、成功した場合・失敗した場合それぞれのパターンを出すことが大切です。マスクド・アナライズ氏は「実際には数百万円レベルだとうまくいくことはそう多くありません。上場企業であれば数千万円の投資から始めて、うまくいったら追加。失敗したら一度止めて、問題の原因を確認して再挑戦という流れが好ましい」と指摘します。

また、数百万円レベルでは、PoCで終わってしまうケースも少なくありません。人月単価としてデータサイエンティストなどは相応に高くなりますし、開発期間が伸びればどうしても費用はかさみます。費用感が想定より超過するのも珍しくありません。他にはライセンス費用なども必要になり、総合するとコストは大きくなってくるでしょう。開発の内容によって異なるため、もっと高くなる可能性もあります。

ではなぜ、多くの企業がPoCで終わってしまうのでしょうか。マスクド・アナライズ氏は「とりあえずPoCをやってみようというのが一番良くない。明確な目的が設定されないままスタートしてしまう」と指摘します。また、ゴール設定が高過ぎる時も失敗しやすいため注意が必要です。

PoCの段階では、「実績がある」「難易度が低い」「期待値を上げすぎない」ものから始めることが大切になるそうです。まずは、ノウハウやコツを掴んでから、徐々に大きくしていきましょう。

参加者の皆様からの質問

――DX人材を育てる上での課題は何でしょうか?

最初の一歩は「若手・管理職の中から抜擢してトレーニングする」という方法で良いですが、次のステップではゴール設定・明確な目標が大切です。目的がないと、何のためにDXやデータ活用を進めるのかわからなくなります。目的を明確にする際は、誰にどんなスキルを身に付けさせるか、自社に足りない技術力や課題は何か、それらをどのように解決するかを決めましょう。

――多くのプロジェクトは、何が原因で失敗するのでしょうか?マインドセットでしょうか、それとも内製・外注の方法などでしょうか?

状況によって原因は異なりますが、発注側の留意点は開発パートナーばかりに問題を押し付けてパートナーの変更を繰り返さないことです。そのためには、開発パートナーをしっかり見極めて選定することが重要です。また、は、開発パートナーにデータ・業務知識・ノウハウを適切に提供することも大切です。依頼される側は、データ分析やITに詳しいだけであり、発注側である企業の事情や知識は十分ではありません。適切な情報を提供できるパートナーシップが重要です。

大企業の場合、グループ会社や付き合いの古い開発パートナーに依頼するパターンが多いでしょう。しかし、依頼先が昨今のDXやデータサイエンスに必ずしも詳しいわけではありません。事例・得意分野・製品などをチェックして、目的に適した自分達に合ったパートナーを自分たちで探し出す必要があります。

DATAFLUCTは「ウォールブレイカー」

久米村は「DATAFLUCTは8つの壁をブレイクし(破壊し)、データ活用をサポートするために起業しました。データ活用を気軽に始められるツールを扱っているのも大きな強みです」と話し、DATAFLUCTが提供できる以下の解決方法を示しました。

  • 外注の壁 → 内製DXツール
  • 費用の壁 → 他社の半額
  • 文化の壁 → 全力伴走!!!
  • 人材の壁 → 教育伴走プログラム
  • 環境の壁 → Ops(運用)もお任せ
  • 認識の壁 → ワークショップでリストアップ
  • データの壁 → データ基盤ツール
  • 現状維持の壁 → 成功事例で突破せよ

その上で、最後はDATAFLUCTのもつツール・教育・サポートを組み合わせた「成功方程式」を久米村が紹介し、全力で顧客のプロジェクトを伴走・支援すると力強く宣言してセッションをまとめました。

【関連リンク】
> AirLake|ノーコードクラウドデータプラットフォーム
> Comler|ノーコード機械学習プラットフォーム

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友永慎哉
基幹系のシステム開発を経験後、企業ITの取材、執筆に従事。企業経営へのIT活用の知識と経験を軸に、テクノロジーが主導する産業の変化について情報を収集・発信している。
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