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新たな働き方で最も重要なキーワードはデータ 生産性の高い企業が打つべき施策

2022年03月31日更新

新型コロナウイルスの蔓延により、多くの企業は働き方を変える必要がありました。そうした「ニューノーマル」の時代において、コロナ禍の事情に受動的に対応するだけでなく、より生産性を高めるためのアクションを考えることも必要です。実現のために重要になるのが、企業が社内にあるデータを有効活用することです。

この記事では、新たな働き方が求められる環境の中で、データウェアハウス(DWH)やビジネスインテリジェンス(BI)などデータを活用する施策を用いて、より積極的に生産性を高めるための施策を紹介します。

拡大するオンライン化

ニューノーマルとは「新しい生活様式」のことで、新型コロナウイルスと共存していく「Withコロナ」、終息後の世の中を想定する「アウターコロナ」の時代を過ごすための生活様式を指します。最も大きいのは、ビジネスが「対面」からオンラインへと急速に移行したことです。

消費者は買い物を店舗ではなくECサイトでするようになり、金融機関の窓口での相談や、不動産の内見といった対面が必須と思われる接客現場も、オンライン窓口やチャットボットなどによってオンライン化しました。ウェブやアプリで衣類を試着できるサービスも登場しています。

物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移 (市場規模の単位:億円)

物販系分野のBtoC-EC市場規模及びEC化率の経年推移 (市場規模の単位:億円)出典:経済産業省

経済産業省が公表した調査結果では、消費者向け物販系分野の2020年の市場規模が、前年の10兆515億円から2兆1818億円増加し、12兆2333億円と大幅に拡大したとしています。全ての商取引金額に対する電子商取引市場規模の割合を指すEC化率も8.08%と大幅に上がっています。「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響」を要因として挙げています。

リモート環境対応だけでなくデータを徹底的に活用する組織へ

コロナ禍の影響は働き方を変化させました。在宅勤務、テレワークなどリモートワークに対応するために、ビデオ会議システムなどの環境構築が必要になったことが典型的な例です。リモート環境で企業内のコミュニケーションを円滑に実施し、業務を効率化するグループウェアや、コミュニケーションを行うためのオンライン会議システムやチャットツールを導入するケースが多くなっています。

従業員の働き方の整備には、自宅などで利用するPCなどの端末やWebカメラ、マイクなどの周辺機器を用意することに加え、ZOOMやTeamsなどのクラウド経由で利用できる基盤を導入し、遠隔でも社内と同じように仕事できる環境が必要です。

ここで、クラウド上の1つの環境に基盤が統一することによって、生まれるメリットがあります。組織や人に関わるあらゆるデータを一元管理し、課題の発見・評価や目標管理に活用できることです。

例えば、DATAFLUCTが提供する「inctra」では、人件費、工数管理などの構造化されたデータやコミュニケーションツールのほか、開発プラットフォームなどに蓄積される人に関わる形式の異なるデータをデータウェアハウス(DWH)で統合し、一元管理できます。組織の生産性のモニタリングや課題の発見、人員配置の最適化や人事評価指標など、組織と人に関わるあらゆる場面において活用できます。

人的データ統合サービス『inctra』

inctraの利用イメージ(出典:inctraサービスサイト

また、財務会計などを担当するERPや営業系システムのCRM、商品開発など既存のシステムと連携し、データを統合できることも重要です。人件費、販売管理、個人のパフォーマンス評価など企業経営に欠かせない情報をサイロ化させず、統合的に把握することにより、より戦略的な意思決定が可能になってきます。

ここで、具体的な解決策として大切になってくるDWHについて見てみます。メンバーが遠隔地で働いていたとしても、プロジェクトの進捗データや人のデータを集約・分析することで、企業の状態を適切に把握できるなど活用すると大きなメリットが見込めます。

一般的に、企業はデータベース、データレイクなどのデータソースに加えて、データウェアハウスを組み合わせ、データを保存したり、分析したりします。最近では、Amazon Web Services(AWS)が提供するDWHサービス「Redshift」 のなどを用いることで、こうした統合を容易にできるようになってきました。

DWHに関連したイメージ図

DWHに関連したイメージ図

上記のイメージ図で言えば、データベースやデータレイクなどのデータソースにデータを準備して、選択したデータをデータウェアハウスに移動し、ユーザーが使えるような分析レポートを抽出するという流れです。このほかでも、データウェアハウスにデータを配置し、データを分析後、機械学習サービスや他の分析サービスで活用するために、データを共有するといった使い方も考えられます。

用語としては、データベースはトランザクションの記録など、データを取得して保存するために使用されます。データウェアハウスはデータ分析用途に設計されており、大量データを受け取り、データ全体を俯瞰して傾向を把握するもので、データが表形式で編成されている必要があります。

一方で、データレイクは構造化データ、半構造化データ、および非構造化データを含むすべてのデータの集中リポジトリとして機能します。

BIツールを利用する

DWHと並んで、企業がビジネスにデータを使いこなすために重要なアプリケーションとしてビジネスインテリジェンス(BI)が挙げられます。DWHとBIは、社内に蓄積したさまざまなデータを利用する点は同じですが、定義は少し異なります。

DWHの役割は、企業内にある複数のシステムからデータを転送して、一元管理するためにふさわしい形式で集めることにあります。一方、BIツールは、DWHに蓄積したデータを分析し、例えば「東京都内の30代女性顧客の特徴」といった意図に沿って分析して、グラフなどを交えてレポートを作成します。その意味で、より質の高いBIを実現するための巨大なデータ倉庫がDWHとも言えます。

現在BIは、多数の社員が自らの業務に必要な情報を自由に導き出せるようにするセルフサービスBIへの需要が高まっています。データ群から商談を持ちかける顧客を見つけたり、その顧客のニーズを踏まえた提案をしたりする際に、強力に支援してくれます。

ここ数年話題となっている作業服専門店チェーンでは、溶接や産業廃棄物の処理などに用いる300円ほどの革手袋が、都心の店舗群で非常に売れていました。しかし、仕入れ担当者が、機会損失が発生しているSKUを見つけるBIツールの機能を用いてみると、ある店舗でその取り扱いがないことを発見。すぐに販売を始めると、順調な売り上げと固定客の獲得につながったといいます。

現場の情報を含めて、ビジネス状況をテレワーク環境でも自由に活用できる点で、ニューノーマルな働き方と親和性が高いと言えます。

企業間のやりとりも急速にオンライン化

ここまで、新たな働き方を支えるものとして、DWHやBIなどデータ分析ツールを活用する動きについて述べてきました。もう1つ、特に指摘しておきたいのが、営業活動やセミナーなどが次々とオンライン化していることです。

IT調査会社のITRが公表した調査結果によると、電話とブラウザを組み合わせた遠隔営業支援システムは、2020年度の売上金額が26億円と前年度から倍増したとしています。コロナ禍で訪問営業が制限されたことにより、企業間の商談用途として需要が急増したことを背景に挙げています。

今後も、消費者が金融機関などの窓口に直接訪問して相談・契約していた業務の代替として、オンライン商談システムを導入する企業が増加しており、大きな伸びを見込んでいるといいます。なお、遠隔営業支援システムにはパソコン画面の共有、トークスクリプト表示、テキストでのチャット、商談の記録といった機能を含んでいます。

オンライン商談システム市場規模推移および2018~2024年度の予測

オンライン商談システム市場規模推移および2018~2024年度の予測(出典:ITRの報道資料)

いよいよノーマルへと向かう

コロナ禍を背景に変化した働き方も、そろそろ定着の段階を迎えつつあります。DWHやBIの活用、さらにさまざまなツールを用いて実施するオンライン営業でも、共通しているのは、従来は取得できなかったデータを取得し、分析し、ビジネスの意思決定に生かすことがポイントになっていることです。

いかにデータドリブンに自社のビジネス環境を組み替えられるかが、新しい働き方の鍵を握ることは間違いなさそうです。

【関連リンク】
> 人的データ統合サービス『inctra(インクトラ)』

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記助
IT業界に限らず、さまざまな分野に携わるマルチライター。
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