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AIは既にここまで浸透している 身近に埋め込まれたセンサーが見つめるもの

2022年03月31日更新

AI(人工知能)はさまざまな分野で使われており、既に一般的なサービスとして私たちの生活に埋め込まれています。また、新しい価値を作るためにさらに高度なコンテンツもどんどん登場してくるでしょう。ここでは、業界を問わず、AIがつくる未来を感じさせる事例を紹介します。

AI技術でできること

AI(人工知能)は、機械学習(物事を繰り返すことでその学習内容を応用できる)により、業務の効率化などに使われています。例えば、最近の通販サイトなどには「チャットボット」と呼ばれるアプリケーションが使われるようになりました。普段使っているLINEなどのチャットサービスのように質問をすると、返信をくれるというものです。

このチャットでは、実際に人が対応していることもありますが、中にはAIが対応しているものもあります。今までの問い合わせ内容などの質問データをAIに学習させることで、人が行っていた業務を代行させることができるのです。

このように機械学習が済んだAIであれば、人のように業務を行うことが可能であり、AIが対応できる分野は大きく分けて、音声認識、画像認識、自然言語処理、異常検知、検索・探索の6種類あります。それぞれを見てみましょう。

音声認識

AIは音声を記録し学習することで、音声を認識してテキストデータなどに変換できます。最初は発音などによって正しく音声を認識できないことがありますが、学習を繰り返すうちに精度が高くなっていきます。この技術を使うことで、電話などの音声データを自動で文字起こしできたり、生放送のテレビの字幕をリアルタイムで表示できたりします。

画像認識

音声と同様に画像を記録・学習することで、画像の認識・識別を行えるようになります。代表的な例でいえば、デジタルカメラの顔認識やオートフォーカスなどの機能です。これらも膨大な数の顔データを学習させることで、人の顔を検出できるようになります。その応用として笑顔検出などがあり、感情を識別する研究も進んでいます。

自然言語処理

自然言語処理とは人が使っている言葉を、コンピュータが理解できる形式に処理することです。人が使う言葉は同じ発音でも意味が違うことがあるため、正しく認識するためには機械学習が必要になります。

異常検知

正常な状態を機械学習することで、その状態から逸脱したときに自動でアラートを出すものです。また、異常が出るまでの予兆を学習させておくことで、異常を予知することでトラブルを未然に防げます。

検索・探索

AIは機械学習することで、特定の条件下で最適の結果を予測することができます。この技術にはAIを使った「囲碁・将棋プレイヤー」などがあります。ひと昔前では、IBMのスーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」が、当時のチェスの世界チャンピオンに勝利して話題になりました。

予測

AIを使い今までの膨大な情報を学習させることで、未来を予測するというものです。天気予報や株価の変動予測などに使われています。最近では、新型コロナウイルスの動向についても、高度なAIが分析・シミュレーションに関わっています。

保険・証券商品の提案をするロボアドバイザー

保険・証券業界では、AI技術を利用した「ロボアドバイザー」サービスを提供する企業が増えてきました。ロボアドバイザーとは、顧客のニーズや希望する運用方法とマーケットの状況などに合わせて最適な資産運用を提案するロボットサービスのことです。

このロボアドバイザーは、今までの運用実績や顧客情報などのビッグデータが反映されており、適した商品や未来予測などのシミュレーションを行えます。適切にアドバイスを受けられるため、顧客は安心して商品を選びやすいでしょう。

企業側からすれば、今まで専任の担当者が行っていた仕事をロボットに置き換えることができ、ネット上でいつでも提案できるため、より多くの顧客にアプローチすることができるのです。

富士フイルムの内視鏡診断支援

医療分野では富士フイルムがAI技術を活用して、内視鏡検査の診断を支援する画像識別ツール「CAD EYE」を開発しました。大腸がんは、がんの中でも罹患者数が最も多く死亡者数も多いです。検査には内視鏡検査が使われますが、小さな病変を見つけるのは難しいため、発見率を高めるのが課題でした。

このCAD EYEは画像処理技術をもとにAIを活用して大腸がんの病変の検出・鑑別を的確に行えるようになりました。

CAD EYE 病変検出支援機能

CAD EYE 病変検出支援機能(出典:富士フイルム報道資料)

ロボットが農作物を収穫する「スマート農業」

農業分野ではロボットなどのIT技術を使った「スマート農業」が注目されています。現在では、全自動でトマトを収穫できる「収穫ロボット」が開発されています。AIを搭載したロボットに、作業経験や収穫に適した状態などを機械学習させることで、適切な収穫時期に適切な力加減で収穫できるようになっています。

農業分野は後継者不足・人材不足などが長年の課題になっていましたが、ロボットが使われることで大きく改善されることが期待されています。

メタバースはAI技術と相性が良い

AIを活用することで膨大な情報処理を行えるため、メタバースの仮想環境を構築しやすくなります。例えば、株式会社スペースデータが開発しているAIは、衛星データと地上の静止画像、標高データを機械学習することで、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化できます。

地上にあるデータを理解した上で3Dモデルを生成するため、実際の空間にいるかのような体験ができるでしょう。このような人の一人称目線で3Dモデルを自動生成することができます。
衛星データとAIを活用してバーチャル空間に「世界」を自動生成するプロジェクト

衛星データとAIを活用してバーチャル空間に「世界」を自動生成するプロジェクト

不動産・住宅情報サイト

不動産・住宅情報サイトでお馴染みの「ホームズ」を運営する株式会社LIFULLは、VRを使い現実世界をコピーしたような仮想空間で住宅を探せる「空飛ぶホームズくん」を開発しています。2020年9月にはプロトタイプ版が公開され、2022年春にリリース予定です。

Androidアプリ「空飛ぶホームズくん」プロトタイプを不動産テックEXPO(大阪)で公開:報道資料

街歩きする空間にはGoogleMapのシステムが使われており、VR上で街を空飛ぶようにして物件を探せます。物件は実際の間取りから3Dデータを取得しAIを活用して自動生成されています。

このサービスがあれば、自宅にいながら実際の間取りやサイズ感を体験でき、イメージしやすいでしょう。今まで時間・距離や身体の障害などで内見が難しい場合でも、しっかり物件選びができます。

価値体験ができる「ミラーワールド」

現実世界をそのままコピーしたような仮想空間である「ミラーワールド」は、さまざまなサービスへの応用ができるとして注目されています。株式会社パーティは仮想空間上でさまざまな体験を行えるバーチャルパークシステム「VARP(ヴァープ)」を開発しました。

このVARPを使うことで、音楽や映画などのエンターテインメントで新しい体験をできるようになります。

パーティ社は2019年に「フジロックフェスティバル」のバーチャル化を実現。実際のフジロックの会場にセンサーを配置し、観客の人数・盛り上がり具合をデータにし、それを仮想空間に反映します。時間や距離などの制約でイベントに参加できないユーザーでも、リアルに近い体験ができるようになるでしょう。

さらに、アーティストが巨大化するなど仮想空間でしかできない演出も行えるため、新しい価値創造に繋がっています。

国も進めるAI活用

国もさまざまな形でAI活用を進めています。以下の図は、経済産業省がまとめた資料「AI導入ガイドブック 需要予測(小売り、卸業)」で紹介されているものです。AIに売上と天候等のデータの関連を学習させ、将来の需要を予測させることで、業務の効率化を図るという取り組みです。

AI導入ガイドブック 需要予測(小売り、卸業)

出典 経済産業省「 AI導入ガイドブック 需要予測(小売り、卸業)」

AI技術は汎用性が高いため、さまざまな分野で活用されています。普段の生活の中にも溶け込んでいるものがあるため、知らない内にAI技術に触れているかもしれません。これからは、近未来的な体験ができるサービス・コンテンツが登場すると期待されているため、注目してみるといいでしょう。

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記助
IT業界に限らず、さまざまな分野に携わるマルチライター。
メタバースやAIなど、ホットな話題を提供します。
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